アスベスト(石綿)とは健康被害が及ぶことはニュースなどでも取り上げられましたので、多くの方が理解していると思います。
しかし、そのことを知らない人のためにもアスベストがどのようなものなのかを説明します。アスベストとは、簡単に言ってしまえば建築素材におけるとても優秀な性質を持つ鉱物でした。
その優秀さから奇跡の鉱物とまで呼ばれるほどの存在でした。その奇跡の鉱物と言われるほどの性質は、
・弾力がある
・不燃性
・酸やアルカリに強い
・断熱保温性
・絶縁体
・吸湿性
になります。この性質は建築素材にとってとても優秀な性質になります。そして、なおかつ値段が安いと言うこともアスベストが多く流通してしまっている原因だと考えられます。
この建築素材にとってとても優秀な性質を持っているアスベストですが、唯一欠点がありました。それは、健康被害です。
アスベストによる健康被害
長時間アスベストによる健康リスクが明らかになったのです。このアスベストは鉱物ですが、繊維のような性質があります。
ですから、アスベストと言うのは空気中を粉塵になって漂います。その粉塵を呼吸により取り入れれば、そのアスベストは肺の中に蓄積され、結果ガンの発生率を高めます。
その危険性からWHOの付属機関IARCにより発癌性がある(Group1)と勧告されているほどになります。
アスベストを一旦肺に取り入れれば、アスベストの性質上分解されることはありません。アスベストはどんどん体内で蓄積されるのです。このようなことから現在では、アスベストのことを静かな時限爆弾と呼ばれます。
アスベストが含まれている製造年月
現在製造されている建築素材にはアスベストは含まれていません。とは言っても、それは最近製造された家と建材の話です。
2000年以前に製造されたものには若干でもアスベストが混入されている可能性があります。ですから、それ以前に建設された住宅ならば、アスベストは使われていると考える必要があります。
具体的にどの建材にアスベストが使われているのかと言いますと、以下のようになります。
軒天井~1994年製造 | ケイ酸カルシウム板 |
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屋根~2004年製造 | 住宅屋根用化粧スレート |
外壁~2004年製造 | 窯業系サイディング |
内部壁~1987年製造 | 石綿含有ロックウール吸音天井板 |
内部天井~2004年製造 | 石綿スレート板 |
床~1986年製造 | ビニール床タイル |
アスベストが含まれていると言っても建築素材は、何百と言う種類がありますので、上記の表の建材だけにアスベストが含まれていると言うわけではありません。
代表的なものが上記の表になりますので、その部分は注意していただきたいです。
アスベストが含まれている建材の対策
仮に、アスベストを含んでいる可能性がある材料は、解体などでアスベストが暴露、浮遊しないために住宅の解体やリフォーム、増改築の際には事前のアスベスト含有調査が必要になります。
何も考えずにアスベストが含まれている建材を撤去しようとすれば、間違いなくアスベストは空気中に飛散します。
撤去しようとすれば、当然壊したり割ったりしなければなりません。そうすればどうしてもアスベストは飛散してしまうのです。
もし、アスベストが混入されている建材を使っている住宅ならば、石綿障害予防規則等の関係法令に則り現場の密封や建材の湿潤化によるアスベスト飛散防止対策を講じなければならないのです。
当然、余計なお金がかかりますが、健康のことを考えればその費用はどうしようもないとしか言いようがありませんので、ご了承いただきたいです。