現在ではホームセンターなどに行けば、外壁塗装の塗料から木部の塗装の塗料まで、さまざまな種類の塗料が販売されています。
これはDIY(ディー・アイ・ワイ)が盛んに行われていることの表れでもあります。また、DIYは日曜大工とも呼ばれています。この呼び方のほうがしっくりくる方もいるかもしれません。
外壁はともかく、木のフェンスなどならばDIYを行ったほうがお金がかからなくていいかもしれません。モノづくりが好きな方ならば、ちょっとしたペンキ塗りは楽しいですよね。
確かに楽しくて経済的なDIYなのですが、やはりそこは私たちプロが行う本物の塗装の質には遠く及びません。
家庭用塗料の性能の低さ
塗り方や腕の問題もありますが、さらに根本的な問題があります。それは、ホームセンターなどで売られている家庭用塗料は、プロの職人さんたちが使っている塗料とは全く別物になります。
ホームセンターなどで売られている家庭用塗料は、初心者でも扱うのが簡単な塗料になっています。ですから、塗料の性能と言うのはとても低いものなのです。
同じ木部の塗装を行うとしても、業務用塗料ならば10年などの耐久性があるのにもかかわらず、家庭用塗料と言うのは耐久性が2~3年しかありません。
これは、家庭用塗料と言うのはそこまで耐久性がなくてもいいと思っているのが、メーカーさんの見解なのです。
10年間の間でプロに塗装を頼めば、塗装の回数は1回で済みます。しかし、家庭用塗料を使ってDIYで塗装をするのならば、10年間の間で塗装の回数を4回や5回も行わなければならないかもしないのです。
それでもいいと言うのであれば、DIYをするのもいいかもしれませんが、そこまで手間をかけたくないと言う方もいるかもしれません。
そうであるのならば、プロに塗装を依頼したほうが早いですし、仕上がりは比較にならない程きれいなものになります。
塗料の値段は、確かに業務用塗料のほうが高いです。しかし、DIYによって5回も塗装を行えば5回塗料を買わなければならなくなってしまいます。
いくら業務用塗料が高いと言っても、その値段は家庭用塗料の5倍はしませんので、このようなことを考えてもプロに塗装を依頼したほうが経済的だと言うことがわかります。
安全性が高いと性能は低くなる
家庭用塗料と言うのは、先ほどもいいましたが初心者でも扱えるように水性の塗料が非常に多いです。決して水性塗料が悪いと言うわけではありませんが、塗装箇所によっては油性の塗料のほうがいい場合がほとんどです。
特に金属部分に関しては、プロならば通常ケレン作業(下地処理)を行いサビ止めを塗ってから、下塗りを行いその後仕上げの上塗りを行います。ですから、業務用塗料を使って3回塗りを行うのです。
しかし、ホームセンターなどで売られている家庭用塗料では、下塗りと上塗り兼用の塗料で1回塗りで仕上がるものがあります。
正確には、私たちプロからすればそのような塗料を1回塗ったところで仕上がったとは思いませんが、塗料メーカーさんからすればそれでいいと言うと言うことになります。
しかし、それでは数年持てばいいですし、すぐに塗装がダメになったのであればまた塗装を行わなければいけません。金属と言うのは、当然ですがサビてしまいます。
プロでさえ金属部分がサビないように神経を使っている程になりますので、ホームセンターで売られている家庭用塗料で塗装しても正直、塗装の意味はあまりないのです。
万が一サビてしまえばそのサビはどうすることもできません。私たちにできることは、金属のサビの進行を未然に防ぐことなのです。ですから、サビてしまい手遅れになってしまえば、その金属部分は新しくしなければならないのです。
ですから、DIYを行うとしても最悪ダメになってもいい箇所を行っていただきたいのです。それがあなた自身のためなのです。
とは言っても、日曜大工はとても楽しいものです。うまく塗装ができるかできないかは問題ではないかもしれません。手間暇や経済的なことばかりを考えていないのであれば、たまにはペンキ塗りを存分に楽しんでいただきたいです。
そして、プロの仕上がりのすごさを少しでも実感していただければ幸いです。