マンションの大規模修繕・改修工事の必要性や工事の詳細

マンション大規模修繕・改修工事

マンションは築年数が経過し劣化すると、大規模修繕や改修工事を行います。しかし、「どのようなポイントがあるのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

特に、初めて修繕・改修工事を行う方にとっては、必要性や流れ、ポイントなどわからないことばかりですよね。

そこで本記事では、大規模修繕・改修工事を行う際に知っておきたい情報をすべてお伝えします。築10年を経過したのであれば、これからお伝えすることを参考にして納得のいく改修工事を行いましょう。

大規模修繕・改修工事の必要性

「大規模修繕・改修工事を行う必要性がわからない」という相談は多く受けます。確かに、修繕費を積み立てて行う必要があるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

マンションの大規模修繕や改修工事を行う必要性は、以下の2つのことが挙げられます。

  • マンションのデザインや外観の維持
  • 建物の経年劣化を防止する

このような理由からマンションは、修繕工事を行わなければいけません。それでは、順を追って解説していきます。

マンションのデザインや外観の維持

築年数が経過し、古くなるとデザインや外観が悪くなります。古くなると、タイルが剥がれたり共有部のコンクリートが変色したりしますよね。

マンションでは、美観が劣ってしまえば入居率が下がってしまうかもしれません。できれば、入居者は増やしたいものではないでしょうか。

同じ家賃であれば、おしゃれなマンションに住みたいと思うのが入居者の本音です。マンションのデザインや美観を保つためには、修繕工事を行いましょう。

建物の経年劣化を防止する

建物は、紫外線や雨風の影響を毎日受けます。そのため、築年数が経過すると防水性が無くなったり、建物の耐久性が低下したりします。

そこで修繕工事を行い、防水性を高めたり、コンクリートの補修を行ったりすることで建物の耐久性を高くできるのです。

外壁塗装が必要であれば、その部分の塗り替えを行います。また、ひび割れがあればその個所を補修します。

症状に応じた修繕工事を行い、建物の経年劣化を防止することで、雨漏りなどを防ぐことが可能です。

大規模修繕工事の費用や相場

大規模修繕工事を行う際、どのくらいの価格になるのか気になる方もいるのではないでしょうか。大規模修繕は、1戸あたり100万円が目安とされています。

つまり、50戸あれば5,000万円になり、100戸あれば1億円の費用が相場です。

もちろん、修繕工事の費用はマンションの劣化状態によって変わってきます。1回目と2回目の修繕工事では、築年数が経過している2回目の工事は改修箇所が増えるため、費用は高くなりやすいです。

また、修繕工事を依頼する管理会社や業者によっても費用は変わります。高い仲介手数料を取るところもあれば、良心的な価格で修繕工事を行う会社もあるからです。

ただ、費用は実際に診断して見積もりを取って見なければ、正確な価格は算出することはできません。そのため、1戸あたり100万円という価格はあくまでも目安程度に捉えるようにしてください。

マンションの修繕の周期やタイミング

マンションの修繕・改修工事はどのくらいの周期やタイミングは、12年に1度が目安です。外壁の防水性などのメンテナンス時期が、12年程度の箇所が多いからです。

したがって、12年周期で行います。12年周期で修繕工事を行おうと仮定した場合、以下の表のようになります。

築年数修繕回数
12年1回目
24年2回目
36年3回目

全体の修繕工事の目安は、12年周期ですが、部分によっては36年に1度交換するような部分もあります。

たとえば、外壁は12年に1度塗り替えをしなければいけませんが、窓やシャッターなどは特に修繕する必要がありません。築36年経過したり壊れたりしたタイミングで交換します。

つまり、12年周期で修繕工事を行ったとしても、修繕する必要がない部分は改修工事を行わなくても良いのです。

マンションは、箇所によって修繕するタイミングや周期が異なることを覚えておきましょう。

また、マンションの修繕工事や時期、タイミングについては、「マンションの修繕時期のタイミングはいつ?周期やサイクル」の記事で詳しく解説しています。詳細を知りたい方は、合わせて読むようにしてください。

マンションの大規模修繕工事の流れ

マンションの大規模修繕を初めて行う方にとっては、どのような工事の内容なのかわからない方も多く見られます。また、どのような手順なのか気になるものですよね。

マンションは、共同住宅です。入居者に事前に説明をするためには、まずはあなたが修繕工事の流れを把握しておきましょう。

それでは、修繕工事の流れをご紹介いたします。

なお、マンションの大規模修繕の流れについては、「マンションの大規模修繕工事の手順や流れ・スケジュール」の記事でさらに詳しく解説しています。流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事にも目を通しておきましょう。

修繕計画を立てる

管理組合で修繕工事を行うための専門委員会(修繕委員会)を設立します。これを設立することで、マンションの大規模修繕に特化した組織を作ることが可能です。

管理組合などの理事会では、常にさまざまな課題があり、多くの方が忙しい方のではないでしょうか。なかなか大規模修繕工事にだけのことを進めるのは難しいのです。

そこで修繕委員会を設立することで、修繕工事に特化できます。そして、修繕委員会で大規模修繕の進め方を決定します。

大規模修繕の進め方を決める

大規模修繕の進め方を決定します。大規模修繕には、「設計管理方式」「責任施工方式」の2種類があります。

それぞれ修繕工事の方法や価格が決定する要因が変わってくるため、違いをあらかじめ把握しておきましょう。

設計監理方式の場合

設計監理方式

設計管理方式は、第三者に管理を委託する方法になります。コンサルタント(設計事務所)や管理会社に修繕工事を委託することで、修繕工事を管理してもらうことが可能です。

施工会社と別会社が監督を行うため、厳しいチェックの元、修繕工事を行ってくれます。修繕工事を依頼する側としては、納得のいく工事を行いたいものですよね。

そのため、第三者に監督してもらえば、工事の品質が保たれます。

ただし、コンサルタント依頼した場合は、コンサルタント料がかかります。また、管理会社に依頼した場合も仲介手数料がかかるケースがあるため、費用は割高になる恐れがあるので、注意が必要です。

責任施工方式の場合

責任施工方式

責任施工方式は、管理組合が直接業者に工事を依頼します。先ほどお伝えした責任施工方式とは異なり、コンサルタントや管理会社に支払う費用がありません。

仲介手数料が必要ない分、費用を抑えられるため、低価格で高品質な工事が行えます。

また、業者としても仲介手数料が取られない分、その分の費用を工事費用に充てることが可能です。

たとえば、管理会社依頼する場合3割の仲介手数料がかかると仮定します。すると、以下のような計算式になります。

2,000万円(施工費用) × 0.3(仲介手数料の割合) = 600万円(仲介手数料の金額)

つまり、2,000万円の費用を支払ったとしても、1,400万円しかマンションの修繕工事には使われないのです。

これでは、修繕費用とは関係のないお金が多すぎますよね。

そこで、責任施工方式で直接施工会社に依頼したのであればいかがでしょうか。低価格で高品質な大規模修繕工事が行えます。たとえ1,600万円の費用を支払ったとしても、管理会社に工事を依頼するよりも安くできますよね。

管理会社仲介手数料

施工会社としても、管理会社への仲介手数料が発生しないため、1,600万円の費用で修繕工事ができます。先ほどの1,400万円と比べても、その分いい塗料や工法で工事が行えるので、質の高い修繕工事を行うことが可能です。

責任施工方式は、コンサルタント料や管理会社の仲介手数料などが発生しません。そのため、低価格で高品質な修繕工事が行えます。

ただし、第三者の管理がないため、業者とのやり取りや管理組合が行うデメリットがあります。とはいえ、マンションの修繕に慣れた優良業者であれば、管理をしなくても工事をスムーズに行ってくるので、管理組合の負担は少ないです。

マンションの修繕工事に慣れた優良業者に直接依頼して、低価格で高品質な修繕工事を実現させましょう。

大規模修繕・改修工事の注意点

マンションの大規模修繕工事を行う際、以下の注意点があります。

  • 長期修繕計画を確認する
  • 修繕積立金はどうなっているのか
  • 管理会社に任せるのは控える
  • コンサルタントに注意する
  • 孫請けに修繕工事をやらせない

大規模修繕を成功させるためには、これらの注意点を踏まえた上で行うようにしてください。入居者から集めた修繕費用の積立金を無駄にしないためには、これらの注意点に気をつけましょう。

それでは、順番に解説していきます。

長期修繕計画を確認する

マンション建設時に「長期修繕計画」というものが作成されます。これを参考にしてマンションの修繕工事は行われます。

しかし、長期修繕計画は施工会社に都合がいい内容になっているのです。マンション建設時に作成されているため、詳細な内容ではなくざっくりとした内容になっています。

「築12年経過したらこれくらいの費用がかかるだろう」という予想のもと作成されているのです。実際に診断してみなければわからない修繕箇所などは、長期修繕計画には記載されていません。

たとえば、ひび割れの箇所は実際に診断して見積もりを依頼してみなければ、詳細な数や金額はわからないこともあります。

そのため、長期修繕計画にそった見積もりの場合、必要以上な修繕工事が行われ、無駄に金額が高くなることがあります。

必要のない工事のために、積み立てていた修繕費を使うのはもったいないですよね。そのため、長期修繕計画を再確認し、実際の症状を参考にしたうえで適切な見積もりを取るようにしてください。

修繕費の積立金はどうなっているのか

修繕費の積立金はどうなっているのか確認しましょう。どのくらいの費用があるのか確認した上で、大規模修繕を行う必要があるからです。

お財布にいくらお金が入っているのかわからない状態で買い物はしませんよね。予算内に大規模修繕を行うためには、積立金の総額を確認しておきましょう。

管理会社に任せるのは控える

管理会社に大規模修繕工事を任せすぎると後悔します。管理会社は、マンションの管理を常日頃から行っています。「修繕費の積み立てがいくらなのか」「修繕費にかかる費用はどのくらいなのか」ということを把握しているのです。

つまり、管理会社はマンションの手の内をすべて把握しているのです。

ただ、管理会社は営利目的の会社にすぎません。そのため、マンションの大規模修繕工事は「高額な手数料を利益にできるチャンス」としか思っていないのです。

実際に、管理会社に大規模修繕工事を依頼すると、修繕費の積立金の金額と変わらない見積もり金額が提示されます。これは、管理会社が修繕費の積立費用をあらかじめ把握しているためです。

ここで管理会社の言いなりになって修繕工事を行うと、必要のない工事があり、必要以上に高い金額で大規模修繕工事が行われます。これでは、管理会社の思う壺です。

そして、先ほどお伝えしたように、管理会社は仲介手数料を取ったうえで下請け業者に工事を丸投げします。下請け業者は、更に下請けである孫請け業者に工事を委託します。

そのため、最終的に実際に工事に使われる費用は、3~4割程度の費用の手数料を引かれた金額になるのです。

これでは、適正価格で修繕工事を行うことは不可能ですよね。せっかく積み立てた修繕費を無駄使いしないためには、管理会社の言うことを鵜呑みにせずに、修繕工事を行うようにしてください。

コンサルタントに注意する

コンサルタントに大規模修繕を依頼する際、注意するようにしてください。コンサルタントは、設計士ですが、必ずしもコンサルタントが全員大規模修繕に詳しい方ではないからです。

マンションの大規模修繕のコンサルタントとしての実績があればいいですが、必ずしもそうとは限りません。中には、ほとんど知識のないコンサルタントもいらっしゃいます。

設計士は、あくまでもマンションの設計が主な仕事です。新築のマンションの設計には詳しいですが、すでに建てられている建物の修繕工事になると話が変わってきます。

せっかくコンサルタント料を支払うのであれば、しっかり大規模修繕を管理してほしいものですよね。

コンサルタントに依頼する際は、このことに注意して設計士を選ぶようにしてください。

孫請けに修繕工事をやらせない

先ほどお伝えしたように、管理会社に工事を委託すると下請けに工事を委託します。また、その下請けがさらに下請けである孫請けに修繕工事を委託します。

そして、更にその孫請けが下請け会社に工事を委託するケースもあるため、施工費用のほとんどが仲介手数料になってしまうのです。

管理会社仲介手数料

下請け業者に工事を委託する場合、実際に施工費用に使われる金額は少なくなります。孫請けは、利益が出ない金額で工事を行わなければいけないこともあります。

そうすると業者は、工程を省いたり安い材料を使ったりして手抜き工事を行うようになります。通常の工法では、赤字になってしまうため、何としても利益を確保しようと思うのが人間です。

そのため、塗料を必要以上に薄めたり、ひび割れの補修を簡易的なものにしたりしてしまうのです。

一見、この業者が悪いように思えますが、必ずしもそうとは言い切れません。

1,000万円の修繕費用を支払ったとしても、管理会社が行っている利益を確保した上で下請け業者に投げる仕組みによって、800万円や700万円といった費用で工事が行われれば、手抜き工事をしたくなくてもしなければいけないのです。

そのため、無駄な仲介手数料を省き、手抜き工事を防ぐためには管理会社ではなく、直接専門業者に修繕工事を依頼しましょう。

まとめ

マンションの修繕・改修工事について詳しく解説してきました。マンションの修繕工事の流れやポイントは理解できたのではないでしょうか。

修繕工事は、適切な時期に適切な方法で行いましょう。

そして、マンションの修繕工事は行う方法によって費用は変わってきます。コンサルタントや管理会社に依頼するとその分費用がかかるからです。

限られた修繕費を無駄使いしないためには、管理会社にすべてを任せるのではなく、優良業者に直接修繕工事を依頼することをおすすめします。入居者から集めた修繕費用を無駄にしないために、適正価格で大規模修繕を行いましょう。

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