小規模マンションの大規模修繕費用はいくら?相場や平均価格

マンション修繕費用

「マンションの大規模修繕費用はいくらかかるのか」「相場や平均価格は?」という相談やお問い合わせは多く受けます。

大規模修繕工事を行う上で費用は、一番気になるところですよね。

ただ、修繕費用は注意点を抑えないと割高になる恐れがあります。修繕費は積立金で賄うため、足りなくなってしまっては困りますよね。

そこで本記事では、マンションの大規模修繕工事を行う際の費用や相場、平均価格などをご紹介します。どのくらいの費用がかかるのか事前に把握しておきましょう。

大規模修繕費用の相場、値段

大規模修繕工事の費用の相場をご紹介します。冒頭でも述べたように、管理組合としては、どのくらいの費用が気になるものですよね。

修繕費用がいくらかかるのか把握しておきましょう。

大規模修繕費用の目安

修繕費用の目安は、1戸あたり100万円程度になります。

世帯数費用
303,000万円
505,000万円
1001億円

つまり、世帯数に100万円を掛けた値段がおおよその相場です。あなたのマンションの世帯数を確認して計算してみましょう。おおよその相場がそれで把握できます。

ただし、これはあくまでも参考価格にしかすぎません。築年数が10年と30年では、同じ形状でも築30年のマンションのほうが修繕費用は割高になるからです。

また、都市部のほうが修繕費用は高くなる傾向にあります。そのため、あくまでも目安程度にとらえるようにしてください。

東京都の大規模修繕工事の総額

マンション修繕工事費用総額

出典:マンションの実態調査結果|東京都

これは、東京都の3階建て以上の賃貸、分譲マンションにアンケート調査を行った際の調査結果になります。

一番多い価格帯が、35%になり1,000~3,000万円の費用が多いことがわかります。次に、多いのが22.2%の3,000万円~5,000万円です。

当然、修繕費用の総額は規模によっても変わってきますので、こちらの表も目安程度に捉えるようにしてください。

マンションの大規模修繕費用の実例と内訳

大規模修繕工事の費用をご紹介します。実際の修繕工事の費用になるため、「どのくらいの費用になるのか」「費用の内訳」などがわかるのではないでしょうか。

事例A:築14年の分譲マンション・2,350万円

23戸の4階建ての修繕費用の内訳は以下をご覧ください。

工事の内訳費用の内訳
共通・直接仮設工事378万円
外壁改修工事916万円
シーリング工事141万円
鉄部塗装工事156万円
防水改修工事210万円
雑工事411万円
現場経理・諸経費138万円

事例B:築25年のマンション・2,130万円

18戸、3階建ての修繕費用の内訳は以下の通りです。

工事の内訳費用の内訳
共通・直接仮設工事326万円
外壁改修工事842万円
シーリング工事122万円
鉄部塗装工事123万円
防水改修工事192万円
雑工事389万円
現場経理・諸経費136万円

事例C:築28年のマンション・5,320万円

42戸の6階建ての修繕費用の内訳は、以下になります。

工事の内訳費用の内訳
共通・直接仮設工事654万円
外壁改修工事2,181万円
シーリング工事372万円
鉄部塗装工事345万円
防水改修工事425万円
雑工事1,010万円
現場経理・諸経費243万円

あくまでも例ですが、大規模修繕の費用はこのような内訳になります。実際に見積もりを出した際に、高すぎないか確かめるようにしましょう。

大規模修繕費用の注意点

大規模修繕の費用を確認する上で注意点があります。このポイントを抑えないと正しく単価などが把握できない恐れがあるので、注意してください。

築年数が増えると費用は割高になる

マンションが古くなると修繕費用は割高になります。築年数が増えることで、修繕する箇所が増えたり、規模が大きくなったりするからです。

たとえば、築12年で行う1回目の修繕工事では、補修程度で済んだものであったとしても、2回目、3回目の大規模修繕工事では、新しいものに交換しなければいけなくなります。

したがって、1回目の修繕工事費用よりも2回目、3回目の修繕工事のほうが高くなることが予想されるため、あらかじめ把握しておきましょう。

戸数や階数でも費用は変わる

修繕工事の相場を判断する際、戸数や階数の違いによって費用が変わります。同じマンションでも、形や形状などの条件が変わると価格は異なるからです。

たとえば、以下は東京都が行っているマンションの実態調査の結果です。

東京都の戸数別の大規模修繕工事費用

戸別大規模修繕費用

※クリックで拡大できます。出典:マンションの実態調査結果|東京都

マンションの戸別の修繕費用を細かくグラフ化したものです。戸数が変わると1世帯あたりの単価は変わってきます。

全体的な価格帯は、60~90万円未満が一番多く、その次が90~120万円未満の価格帯が多いです。

このグラフを見てもらうとわかりますが、戸数が増えるにつれて、1戸あたりの修繕費用の単価は安くなる傾向にあります。

なぜなら、戸数が増えても修繕工事で行うことは、そこまで大きく変わらないからです。

たとえば、100戸と150戸のマンションでは、修繕工事で行う内容はそこまで変わりません。戸数が増えると作業効率が上がるので、単価は安くなります。戸数あたりの価格や修繕費用の総額を気にする際は、ぜひ、このことを覚えておきましょう。

大規模修繕の積立金が足りない場合の対処法

大規模修繕費用を気にする上で、積立金が足りなくなってしまう管理組合は多くいらっしゃいます。

修繕費は築年数が高くなると費用が割高になります。また、入居者が少ない場合、修繕費の積立金が年々高くなることも考えられるのではないでしょうか。

修繕費が足りなくなった場合、以下の3つの方法で修繕費用を用意しなければいけません。

  • 時期を先延ばしにする
  • 不足金を一時徴収で賄う
  • 不足分を借り入れする

それでは、順番にご紹介していきます。

時期を先延ばしにする

修繕費用が足りない場合、時期を先延ばしにするのもおすすめです。修繕費の積立金が足りないような場合、必ずしも12年で行わなくてもいいからです。

実際に、計画では築12年で修繕工事を行う予定だったのにもかかわらず、積立金が足りないため、築15年で最初の修繕を行う管理組合もいらっしゃいます。

できれば築12年に1度行ったほうがいいですが、「雨漏りしている」などのように緊急性のない場合は、修繕費が用意できるまで修繕工事の時期を先延ばしにしてみるのも1つの方法です。

不足金を一時徴収で賄う

修繕費の積立金が足りなくなった場合、不足金を一時的に集める方法があります。ただ、入居者が納得するような説明をしなければいけません。

毎月修繕費を積み立てているのにも関わらず、「修繕費用が足りないからその分を払ってくれ」といっても納得しませんよね。

したがって、修繕費の予算に対して、「どのくらい足りないのか」「なぜ足りなくなったのか」など、住民が納得するような理由を説明する必要があります。

不足金を一時的に集める際は、このような点に注意するようにしてください。

不足分を借り入れする

足りない修繕費を借り入れする方法があります。銀行などの金融機関にお金を借りて修繕費を補います。

ただ、このときに借りたお金は当然返済しなければいけません。次回の修繕費の積立金に加えて、返済を行うのでその分修繕費の返済額は多くなるので注意してください。

「修繕費が足りなくなれば、入居者から集めればいい」という考えではなく、修繕費を節約して積立金の範囲内で行えるように、資金計画などを工夫するようにしてください。

マンションの大規模修繕費用を抑えるポイント

マンションの大規模修繕費用は、工夫次第で抑えることが可能です。入居者が毎月一生懸命支払っている修繕費用を無駄にしないためには、管理組合が工夫して費用を抑えるようにしてください。

大規模修繕費用を抑えるポイントは以下の通りです。

  • 無駄なものは無くす
  • 相見積もりを取る
  • 管理会社に丸投げしない
  • 火災保険の利用を検討する
  • 無足場工法を検討する

このような点に注意するとマンションの大規模修繕費用を抑えることが可能です。それでは、具体的にどのようなことなのか解説していきます。

無駄なものは無くす

大規模修繕を行う上で、無駄なものは無くすと価格を抑えられます。維持費ばかりかかるのであれば、撤去してしまうのも1つの方法です。

たとえば、機械式駐車場が挙げられます。機械式駐車場は、維持費がかかります。しかし、あまり使う入居者がいないケースが多く見られます。

したがって、いっそのこと撤去してしまったほうが、今後のランニングコストのことを考えるとお得なのです。

1回目の修繕工事は、築12年ほどで行うので、不要なものを見極めるには期間が短く判断することは難しいです。しかし、2回目の大規模修繕では、築24年程度になるため、不要なものがはっきりとわかります。

そのため、大規模修繕工事を行う際は、不要なものを見極めて無くしてしまうことが費用を抑えるためには必要です。

相見積もりを取る

相見積もりを取ることで価格を比較できます。実は、マンションの修繕工事の費用は、同じマンションの修繕工事でも価格は異なるからです。

たとえば、以下のように1社だけに見積もりを依頼したと仮定します。

  • A社:3,000万円

このように1社だけの見積もり価格では、高いのか安いのか判断できません。これでは、適正価格で大規模修繕工事を行うことは不可能です。

一方、以下のように複数社に修繕工事の見積もりを依頼したのであれば、いかがでしょうか。

  • A社:3,000万円
  • B社:2,780万円
  • C社:2,500万円

複数社の見積もりを取れば、価格を比較して修繕工事業者を選ぶことができます。先ほどのA社だけの見積もりでは、1番高い価格で工事を依頼してしまう恐れがあります。

価格を比べなければ、定価のないマンションの大規模修繕工事では、適正価格で工事を行うことは不可能です。

逆を言えば、相見積もりを行うと業者ごとの価格を比較できるため、適正価格でマンションの大規模修繕を行えます。

A社とC社では、500万円の差がありますよね。せっかくマンションの大規模修繕を行うなら、適正価格で行いたいものではないでしょうか。

管理会社に丸投げしない

マンションの修繕工事を管理会社にすべて任せてしまうと、費用は高くなります。管理会社は、仲介手数料を利益として確保した上で、下請け業者に工事を委託するからです。

管理会社仲介手数料

このとき、3~4割仲介手数料が発生します。

つまり、1,000万円の修繕工事費用を支払ったとしても、実際に工事に使われる金額は600万円になるのです。

これでは、下請け業者は利益がほとんどでないため、手抜き工事を行う恐れがあります。あなたとしても、1,000万円の修繕費用のほとんどが、仲介手数料として管理会社の利益になるのであれば、本末転倒ではないでしょうか。

入居者が毎月必死になって貯めている修繕費の積立金は、管理会社のために貯めているわけではありませんよね。このようなことは、絶対にあってはいけません。

また、管理会社からすれば、大規模修繕工事は、お金儲けのイベント」としか思っていません。修繕工事をすべて任せてしまう管理組合のことは、「カモ」としか思っていないのです。

管理会社の言うことを鵜呑みにしていると後悔します。そうならないようには、管理会社に任せてしまうのを絶対に控えるようにしてください。

火災保険の利用を検討する

小規模のマンションであれば、火災保険を利用して修繕工事を行えます。火災保険には、「風災補償」があるからです。これは、マンションが雨や風などの影響で屋上の防水や外壁のタイルが破損した場合に保険金が支払われます。

つまり、この保険金を利用すれば、マンションの修繕工事費用を大幅に抑えることが可能です。

たとえば、マンションの修繕費用が1,000万円かかると仮定します。このとき、その金額よりも保険金の額が多ければ、実質負担する金額は0円になります。

したがって、実質負担0円でマンションの大規模修繕工事が行えるのです。もちろん、このように全額保険金で賄えるケースは稀ですが、100万円でも保険金が支払われれば、お得に修繕工事が行えますよね。

火災保険は、マンション建設時に加入しているケースがほとんどです。

また、自動車の保険のように等級というものが存在しないので、保険料を支払ったり高くなったりすることがありません。火災保険に加入しているマンションは、積極的に利用するようにしてください。

無足場工法を検討する

マンションの修繕工事の約1割は足場代です。1,000万円の修繕費用の場合、そのうち100万円が足場代になります。

そこで、無足場工法を行えば、その分修繕費用を抑えることが可能です。無足場工法とは、足場を使わずにロープでぶら下がったり、ゴンドラを使ったり修繕工事を行う方法です。

マンション修繕工事無足場工法

出典:安村外装

足場の場合、部外者でも登れてしまうので、防犯面で不安があります。しかし、無足場工法であれば足場を使わないため、セキュリティ面も安心です。

ただし、無足場工法を行える業者は数多くありません。そのため、どの業者も必ず行える方法ではないことをあらかじめ把握しておきましょう。

まとめ

マンションの修繕工事の費用や相場についてご紹介してきました。マンションの修繕費用の目安は、1世帯あたり100万円です。そのため、マンションの世帯数に100万円を掛けるとおおよその金額が算出できます。

ただ、これはあくまでも目安です。実際に見積もりを出してみなければ、正確な費用はわかりません。

また、修繕費用はここでお伝えしたポイントに注意すると価格を抑えることができます。無駄を無くして高品質な修繕工事を行うようにしてください。

大規模修繕工事に悩んでいる管理組合必見!

無料相談・お問い合わせはこちら

関連記事

悪徳コンサルタントの手口

マンションの大規模修繕の談合:詐欺コンサルタントの悪質な手口

修繕費用不足

マンションの大規模修繕費不足・足りない場合の対処法

マンション相見積もり

マンションの大規模修繕の相見積もり:費用や価格、相場を抑える方法

マンションコンサルタント費用

マンション大規模修繕コンサルタント料の費用や相場、いくら?

マンション足場代費用

マンションの大規模修繕の足場代は?費用や単価はいくらか

戸数すくない小規模マンション修繕

小規模マンションの戸数が少ない大規模修繕の費用や注意点