マンションの大規模修繕:知らないと後悔する工事業者の選定方法

マンション修繕業者選び

マンションの大規模修繕工事において、施工業者選びはとても重要なものです。業者によって、価格や工事の品質は大きく変わるからです。

せっかく数百万円から数千万円単位の修繕工事を行うのであれば、信頼できる業者に依頼したいものですよね。

ただ、管理会社などが紹介する業者は、高額な仲介手数料が発生するのも事実です。その費用は、修繕費用の3~4割にも及ぶため、工事が割高になってしまいます。これでは、適正価格で納得のいく大規模修繕工事は行えません。

とはいえ、数多くいる業者の中から「どのように優良業者を撰べばいいのかわからない」という管理組合は多くいらっしゃいます。

ここでは、マンションの大規模修繕の施工業者の選定方法についてご紹介します。

大規模修繕の施工業者の選定方法

大規模修繕の施工業者の選び方には、いくつかの方法があります。これから施工会社を選定するのであれば、どのような種類があるのかを把握しておきましょう。

一般的に、施工会社選びの方法は以下の3種類があります。

  • 見積もり合わせ(相見積もり)
  • 入札方式
  • 特命随意契約方式(とくていずいいけいやく)

これらの違いを理解した上で、優良業者を選定するようにしてください。それでは、具体的にどのような方法になるのか順番に詳しく解説していきます。

見積もり合わせ(相見積もり)

マンション大規模修繕工事選定方法、相見積もり

見積もり合わせとは、複数社の施工会社に見積もりを依頼し、見積書を比較して業者を選定する方法です。つまり、相見積もり(あいみつもり)のことです。

マンションの修繕工事の価格は、「定価」と言うものがありません。

つまり、言い値です。特に建設業界は、元請け業者が仲介手数料を利益として確保した上で、下請け業者に工事を委託します。

管理会社仲介手数料

つまり、同じ工事であったとしても、選択する業者によって施工費用が3~4割変わってきます。

そのため、複数社の業者に見積もりを取り、価格を比べることにより適正価格で業者の選定が可能です。

さらに、価格は当然のこと、施工会社のサービスを比べられるので、各業者の提案を比較できます。大規模修繕工事を依頼するのであれば、親身になって相談に乗ってくれる業者に依頼したいものですよね。

見積もり合わせには、価格やサービス面などから業者を比べることができるので、あなたに合った業者選びが行えます。

競争入札方式

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複数の業者に入札してもらい、一番価格の安い業者に大規模修繕工事を依頼する方法です。入札する業者は、募集などから集めます。

ただ、価格競争になるため、工事の「品質」「サービス」などは低下してしまう恐れがあります。価格が下がればその分、材料費を削ったり、丁寧な施工ができなくなったりするからです。

また、大規模修繕工事を行う業者の中には、手抜き工事を意図的に行う悪徳業者も存在します。工事費用は、手抜き工事を行えば簡単に価格を抑えることが可能です。

競争入札で業者を決める場合、価格重視の修繕工事が行えるメリットがありますが、品質が低下してしまうデメリットもあります。これらの良し悪しを踏まえた上で、入札方式で業者を選定しましょう。

特命随意契約方式(とくめいずいいけいやく)

マンション大規模業者選定匿名随意契約

特命随意契約とは、特定の1社を指定して大規模修繕工事を行う方法です。つまり、1社のみの見積もりを取り、その内容に納得した場合、契約する方法になります。

このときの業者は、管理会社や前回の大規模修繕工事を行った業者、またはマンションを建設した施工会社などです。

1社のみに見積もりを依頼するため、業者選びの手間を省くことができます。

前回、大規模修繕工事を行ってもらった業者であれば、信頼して工事を依頼できますよね。前回の修繕工事の反省点を活かした修繕工事が行えるため、さらに質や満足度の高い工事が行えるのではないでしょうか。

ただし、1社だけに見積もりを依頼する場合、費用は高くなる恐れがあります。相見積もりのように価格競争が無いため、業者側としても安い金額を提示する必要がないからです。

また、信頼できる優良業者に依頼するのであれば問題ありませんが、初めて工事を依頼する場合などは、この方法で業者を選ぶメリットはそこまでありません。そのため、信頼できる業者を把握している場合のみこの方法を選びましょう。

大規模修繕工事を行う施工業者の種類

大規模修繕の業者には、3つの種類があります。それぞれ特徴が異なり、費用も変わってきます。これから業者の選定を検討しているのであれば、業者ごとどのような違いがあるのかを把握しておきましょう。

大規模工事を行う業者は、以下の3つがあります。

  • ゼネコン(総合建設会社)
  • 管理会社
  • 大規模修繕工事専門の施工業者

それでは、違いを順番にお伝えしていきます。

ゼネコン(総合建設会社)

ゼネコンは、総合建設会社のことです。簡単に言ってしまえば、とてつもなく大きな建設会社のことになります。

たとえば、「大成建設」「鹿島建設」「清水建設」などの大手は有名です。しかし、ゼネコンは大手以外にも存在するので、必ずしもこれらの業者というわけではありません。

そのゼネコンに大規模修繕工事を依頼する場合、高額な仲介手数料が発生するため、費用は割高になります。

ビルなどの大きな建物の建設であれば、ゼネコンを利用するメリットはあるかもしれません。計画や設計、施工会社の管理などは大きな建設会社のほうが得意だからです。

しかし、マンションの大規模修繕はゼネコンでなくても行うことが可能です。また、大手に依頼すると仲介手数料が発生します。これらのことを踏まえると、マンションの修繕工事をゼネコンに依頼するメリットはほとんどありません。

マンションの大規模修繕を検討している方は、あくまでも候補として覚えておく程度が良いでしょう。

管理会社

管理会社に大規模修繕工事を依頼する場合、「管理会社自体が大規模修繕工事を行っている」「管理会社が元請けになり、下請け業者に委託する」2つのケースがあります。

マンションの管理を常日頃から行っている管理会社に大規模修繕工事を依頼する場合、マンションのことを熟知した修繕工事を行うことが可能です。

日々の点検などでひび割れの箇所なども把握しているため、質の高い修繕が行えますよね。

ただし、管理会社も営利目的の会社です。仲介手数料が発生するので、その分の費用が割高になることを踏まえた上で修繕工事を行いましょう。

大規模修繕工事専門の施工業者

大規模修繕工事を依頼する業者の中に、「大規模修繕工事の専門業者」がいます。これらの専門業者は、通常元請け業者の下請けなどを行っています。

先ほどお伝えしたように、建設業は元請け業者が仲介手数料を取り、下請け業者に依頼する仕組みがほとんどです。

つまり、元請け業者に工事を依頼したとしても、実際に大規模修繕工事を行うのは下請け業者になります。そうであれば、仲介手数料がかからない下請け業者に、直接マンションの大規模修繕工事を依頼したいものですよね。

価格を抑えた上で、高品質な大規模修繕が行えるはずです。

大規模修繕の業者選定の注意点

大規模修繕の業者選定を行う際、知っておいて欲しい注意点があります。数多くいる業者の中から優良業者に修繕工事を依頼するためには、以下でお伝えする注意点に気を付けるようにしましょう。

  • 管理会社紹介の業者には注意する
  • マンションの建設業者に依頼する必要はない
  • 理事会と仲の良い業者には注意
  • 担当者の人柄を確かめる
  • マンションの修繕工事の実績が多い業者を選ぶ

それでは、注意点を1つずつ詳しく解説していきます。

管理会社紹介の業者には注意する

施工会社を管理会社に紹介してもらうケースは多くあります。「管理会社に紹介してもらった業者だから安心」と思っているのであれば、要注意です。

ほとんどのケースで仲介手数料が発生する恐れがあるからです。したがって、費用はその分割高になることが予想されます。

管理会社に業者選びを任せると、必要以上に高い修繕費用で工事を行う可能性があるので注意してください。

マンションの建設業者に依頼する必要はない

マンションを建てた建設業者に依頼する管理組合は多く見られますが、修繕工事を行う上で、建設会社に依頼する必要はありません。マンションの建設であればいいですが、修繕工事を依頼するメリットはないからです。

先ほどもお伝えしたように、このような建設会社は仲介手数料を取り、下請け業者に修繕工事を丸投げします。

3~4割の仲介手数料がかかるため、これでは適正価格で修繕工事は行えません。

修繕工事の業者選びは面倒です。マンションの建設会社に依頼すれば、楽に業者が選べるかもしれません。しかし、仲介手数料分の費用が割高になることを考えると、修繕工事を行う先をよく検討したほうがいいことがわかるのではないでしょうか。

理事会と仲の良い業者には注意

マンションの修繕工事を行う際、理事会など管理組合の誰かが紹介するケースがあります。この場合、紹介した方は必ず業者からバックマージンを貰っています。

「修繕費用が他よりも安い」というような場合でない限り、そこまでメリットがありません。そのような紹介された業者に依頼する際は、修繕工事費用の仲介手数料を紹介した方が貰っていることを覚えておきましょう。

担当者の人柄を確かめる

修繕工事を行う際、できれば親身になってくれる業者に依頼したいものですよね。担当者がまるで、自分が住んでいるかのような対応をしてくれると、こちらとしても修繕工事を気持ちよく依頼することができます。

反対に、対応が悪くそっけない態度の業者であれば、気分良く修繕工事を依頼できませんよね。

修繕工事会社も「人」です。業者を選ぶ際は、人を見て判断するようにしてください。それが、修繕会社を行う上での業者選びのコツです。

マンションの修繕工事の実績が多い業者を選ぶ

マンションの修繕工事は、実績の多い業者を選ぶようにしましょう。マンションは共同住宅です。多くの入居者が生活している中で修繕工事を行います。そのため、些細なことでトラブルやクレームになりやすいです。

たとえば、「ベランダに勝手に入った」「覗かれた」などのトラブルは多くみられます。女性が暮らしている場合、プライバシーが問題になりますよね。

そこで、マンションの修繕工事に慣れている業者であれば、そのようなトラブルが起きる可能性は少なくなります。

また、マンションの修繕工事は、3~6カ月ほどかかるので、ただでさえ住民のストレスや不満は溜まりやすいです。

そのことを踏まえると、できれば実績の多い専門業者に修繕工事を依頼したいものではないでしょうか。

まとめ

マンションの修繕工事を行う上で必要な、業者の選定方法についてご紹介してきました。修繕工事業者の選び方や種類、ポイントなどは理解できたのではないでしょうか。

マンションの修繕工事を適正価格で優良業者に依頼するのであれば、業者選びはとても重要です。

仲介手数料がかかる業者に依頼した場合、その分費用は高くなるからです。修繕費用は、居住者の積立金で賄っています。1円たりとも無駄遣いしないためには、優良業者に工事を依頼するようにしてください。

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