マンションの大規模修繕:築30年以降、3回目の改修工事のポイント

マンション大規模修繕3回目

マンションの築年数が30年を経過したのであれば、3回目の修繕工事を検討しなければいけません。建物の美観や資産価値を維持するためには、必要なことなので手間かもしれませんが、管理組合の方は頑張って修繕工事を進めていきましょう。

ただ、3回目の修繕工事は、「1回目」「2回目」とは訳が違います。

修繕する箇所や規模が増えるため、修繕費用は高額になります。今まで修繕工事を計画的に行い、修繕積立金を計画的に貯めている管理組合であればいいですが、そうではない場合は、3回目の修繕工事で費用が足りなくなる恐れがあります。

そのため、苦労してしまう管理組合は多く見られます。

そうならないために、ここでは築30年を経過したマンションの3回目の修繕工事について必要な情報をご紹介します。ここでお伝えすることを参考にして、大規模修繕を行うことを検討しましょう。

マンションの大規模修繕の周期はどれくらいか

マンションの修繕工事のタイミングは、一般的に12年周期で行われます。おおよそ12年ごろに外壁や建材の耐久性がなくなるからです。そのため、そのタイミングで修繕工事を行うとちょうどいいタイミングになります。

築年数修繕回数
12年1回目
24年2回目
36年3回目

12年周期で修繕工事を行うと、3回目は築36年で行う計算になります。

ただ修繕工事が、積立金が集まらなかったという理由などで遅れてしまう場合は、修繕工事の周期は、上記のように12年周期ではありません。

管理組合によっては、修繕工事を15年で行うところもあります。

マンションの修繕工事の周期やタイミングについては、「マンションの修繕時期の期間、タイミングはいつ?周期やサイクル」の記事で詳しく解説しています。気になる方は、合わせて読むようにしましょう。

マンションの修繕工事箇所の目安

マンションの修繕工事の大まかなタイミングは、先ほどお伝えしたように、12年周期です。しかし、修繕工事の修繕時期は箇所によって異なります。

築24年で交換するところもあれば、築36年で取り換える場合もあるからです。築30年を超えると修繕工事を行う補修箇所があるので、どこをどのタイミングで修繕工事を行うのか把握しておきましょう。

以下は、公益財団法人マンション管理センターが公開しているマンションの修繕箇所の目安です。

推定修繕工事項目対象部位等工事区分修繕周期(参考)想定している修繕方法等
1 仮設工事
①共通仮設仮設12年12年・24年・36年・48年… 仮設事務所、資材置き場等
②直接仮設仮設12年12年・24年・36年・48年…枠組足場、養生シート等
2 屋根防水
①屋上防水(保護)屋上、塔屋、ルーフバルコニー補修12年(1周期)12年伸縮目地の打替え、保護コンクリート部分補修
修繕24年(2周期)24年(以降は露出防水)下地調整の上、露出防水(ウレタン塗膜防水)※かぶせ方式(保護層を撤去しない)
②屋上防水(露出)屋上、塔屋修繕12年(1周期)12年…36年…60年…ウレタン塗膜防水の上、保護塗装(トップコート塗り)※かぶせ方式(防水層を撤去しない)
撤去・新設24年(2周期)24年…48年…72年…既存防水層を全面撤去の上、下地調整、(露出アスファルト防水等)
③傾斜屋根屋根補修12年(1周期)12年…36年…60年…下地調整の上、保護塗装(水性ポリマー等)
撤去・葺替24年(2周期)24年…48年…72年…既存屋根材を全面撤去の上、下地補修、葺替え
(アスファルトシングル葺、金属板葺等)
④庇・笠木等防水庇天端、笠木天端、パラペット天端・アゴ、架台天端等修繕12年12年・24年・36年・48年…高圧水洗の上、下地調整、(ウレタン塗膜防水等)
3 床防水
①バルコニー床防水バルコニーの床
(側溝、幅木を含む)
修繕12年12年・24年・36年・48年… 床/高圧水洗の上、下地調整、(ウレタン塗膜防水) 側溝・巾木/高圧水洗の上、下地調整、(ウレタン塗膜防水)
②開放廊下・階段等床防水開放廊下・階段の床
(側溝、幅木を含む)
修繕12年12年・24年・36年・48年…床部/高圧水洗の上、下地調整、(塩ビシート張り等)側溝・巾木/高圧洗浄の上、下地調整、(ウレタン塗膜防水)
4 外壁塗装等
①コンクリート補修外壁、屋根、床、手すり壁、軒天(上げ裏)、庇等
(コンクリート、モルタル部分)
補修12年12年・24年・36年・48年…ひび割れ・浮き・欠損・鉄筋の発錆・モルタルの浮き等の補修
②外壁塗装外壁、手すり壁等塗替12年(1・2周期)12年・24年…48年・60年…高圧洗浄の上、下地処理、塗装(仕上塗材)
除去・塗装36年(3周期)36年…72年…既存全面除去の上、下地処理、塗装(仕上塗材)
③軒天塗装開放廊下・階段、バルコニー等の軒天(上げ裏)部分塗替12年(1・2周期)12年・24年…48年・60年…高圧水洗の上、下地処理、塗装
除去・塗装36年(3周期)36年…72年…既存全面除去の上、下地処理、塗装
④タイル張補修外壁・手すり壁等 補修12年12年・24年・36年・48年…高圧洗浄、欠損・浮き・剥離・ひび割れ等の補修、一部張替え
⑤シーリング外壁目地、建具周り、スリーブ周り、部材接合部等打替12年12年・24年・36年・48年…打継・伸縮・誘発目地、部材取合部等の打替え
5 鉄部塗装等
①鉄部塗装
(雨掛かり部分)
(鋼製)開放廊下・階段、バルコニーの手すり塗替4年4年・8年・12年・16年… 下地処理の上、塗装
(鋼製)屋上フェンス、設備機器、立て樋・支持金物、架台、
避難ハッチ、マンホール蓋、隔て板枠、物干金物等
塗替4年4年・8年・12年・16年… 下地処理の上、塗装
屋外鉄骨階段、自転車置場、遊具、フェンス塗替4年4年・8年・12年・16年…下地処理の上、塗装
(注)機械式駐車場を除く
②鉄部塗装
(非雨掛かり部分)
(鋼製)住戸玄関ドア塗替6年6年・12年・18年・24年…下地処理の上、塗装
(鋼製)共用部分ドア、メーターボックス扉、手すり、照明器
具、設備機器、配電盤類、屋内消火栓箱等
塗替6年6年・12年・18年・24年…下地処理の上、塗装
③非鉄部塗装(アルミ製・ステンレス製等)
サッシ、面格子、ドア、手すり、避難ハッチ、換気口等
清掃12年12年・24年・36年・48年…洗浄の上、コーティング
(ボード、樹脂、木製等)
隔て板・エアコンスリーブ・雨樋等
塗替12年12年・24年・36年・48年…下地処理の上、塗装
6 建具・金物等
①建具関係住戸玄関ドア、共用部分ドア、自動ドア点検・調整12年(1・2周期)12年・24年…48年・60年…動作点検、金具(丁番、ドアチェック等)の調整等
取替36年(3周期)36年・72年…かぶせ工法(既存枠の上に新規枠を取付け)
窓サッシ、面格子、網戸、シャッター点検・調整 12年(1・2周期)
12年・24年…48年・60年…
動作点検、金具(戸車、クレセント、ビート等)の調整等
取替36年(3周期)36年・72年…かぶせ工法(既存枠の上に新規枠を取付け)
②手すり開放廊下・階段、バルコニーの手すり、防風スクリーン取替36年36年・72年…全部撤去の上、アルミ製手すりに取替え
③屋外鉄骨階段屋外鉄骨階段補修12年(1・2周期)12年・24年…48年・60年…点検、腐食部板金溶接補修、踏板取替え等
取替36年(3周期)36年・72年…全部撤去の上、建替え
④金物類
(集合郵便受等)
集合郵便受、掲示板、宅配ロッカー等取替24年24年・48年・72年…
笠木、架台、マンホール蓋、階段ノンスリップ、避難ハッ
チ、タラップ、排水金物、室名札、立て樋・支持金物、隔て
板、物干金物、スリーブキャップ等
取替24年24年・48年・72年…
屋上フェンス等取替36年36年・72年…
全部撤去の上、アルミ製手すりに取替え
⑤金物類
(メータボックス扉等)
メーターボックスの扉、パイプスペースの扉等取替36年36年・72年…
7 共用内部
①共用内部管理員室、集会室、内部廊下、内部階段等の壁、床、天井張替・塗替12年12年・24年・36年・48年…床・壁・天井の塗替え・張替え等
エントランスホール、エレベーターホールの壁、床、天井張替・塗替12年12年・24年・36年・48年…
8 給水設備
①給水管屋内共用給水管更生 15年15年・40年・65年…
屋内共用給水管、屋外共用給水管取替(更新30年30年・60年…仕上げ材の補修を含む
塩ビライニング鋼管への取替え
②貯水槽受水槽 取替25年25年・50年・75年…
FRP製への取替え
高置水槽 取替25年25年・50年・75年…
FRP製への取替え
③給水ポンプ揚水ポンプ、加圧給水ポンプ、直結増圧ポンプ補修8年(隔周期)
8年…24年…40年…56年…
ポンプのオーバーホール等
取替16年16年・32年・48年・64年…
9 排水設備
①排水管屋内共用雑排水管更生15年15年・40年・65年…
屋内共用雑排水管、汚水管、雨水管取替(更新)30年30年・60年…住戸内パイプシャフトを解体撤去の上、取替え、復旧
②排水ポンプ排水ポンプ補修8年(隔周期)
8年…24年…40年…56年…
ポンプのオーバーホール等
取替16年16年・32年・48年・64年…
10 ガス設備
①ガス管屋外埋設部ガス管、屋内共用ガス管取替(更新)(25年)
30年
30年・60年…埋設部掘削、管の敷設、埋戻し、復旧
(ポリエチレン管等)
11 空調・換気設備等
①空調設備管理室、集会室等のエアコン取替15年15年・30年・45年・60年…
②換気設備管理員室、集会室、機械室、電気室等の換気扇、ダクト
類、換気口、換気ガラリ
取替15年15年・30年・45年・60年…
12 電灯設備等
①電灯設備共用廊下・エントランスホール等の照明器具、配線器具、
非常照明、避難口・通路誘導灯、外灯等
取替15年15年・30年・45年・60年…
②配電盤類配電盤・プルボックス等 取替30年30年・60年…
③幹線設備引込開閉器、幹線(電灯、動力)等 取替30年30年・60年…幹線、引込開閉器等の取替え(容量増)
④避雷針設備避雷突針・ポール・支持金物・導線・接地極等 取替40年40年…
⑤自家発電設備発電設備 取替30年30年・60年…
13 情報・通信設備
①電話設備電話配線盤(MDF)、中間端子盤(IDF)等取替30年30年・60年…
②テレビ共聴設備アンテナ、増幅器、分配器等 ※同軸ケーブルを除く 取替15年15年・30年・45年・60年…
③インターネット設備住棟内ネットワーク 取替15年15年・30年・45年・60年…
④インターホン設備等インターホン設備、オートロック設備、住宅情報盤、防犯設
備、配線等
取替15年15年・30年・45年・60年…
14 消防用設備
①屋内消火栓設備消火栓ポンプ、消火管、ホース類、屋内消火栓箱等取替25年交換
25年・50年…
②自動火災報知設備感知器、発信器、表示灯、音響装置、中継器、受信器等取替20年交換
20年・40年・60年…
住宅用又は共同住宅用
③連結送水管設備送水口、放水口、消火管、消火隊専用栓箱等取替25年交換
25年・50年…
15 昇降機設備
①昇降機カゴ内装、扉、三方枠等補修15年(隔周期)
15年…45年…
内装取替え、三方枠塗装
全構成機器取替30年(隔周期)
30年…60年…
全部撤去・新設
16 立体駐車場設備
①自走式駐車場プレハブ造(鉄骨造+ALC)補修10年(1・2周期)
10年・20年…40年・50年…
鉄部塗装、車止等の取替え
建替 30年(3周期)
30年…60年…
全部撤去の上、建替え
②機械式駐車場二段方式、多段方式(昇降式、横行昇降式、ピット式)
垂直循環方式等
補修5年(1・2・3周期)
5年・10年・15年…25年
鉄部塗装、部品交換
二段方式、多段方式(昇降式、横行昇降式、ピット式)
垂直循環方式等
建替20年(4周期)
20年……40年
全部撤去・新設
駐車装置、制御板、昇降装置等
17 外構・附属施設
①外構平面駐車場、車路・歩道等の舗装、側溝、排水溝 補修24年24年・48年・72年…
囲障(塀、フェンス等)、サイン(案内板)、遊具、ベンチ等取替24年24年・48年・72年…
埋設排水管、排水桝等
※埋設給水管を除く
取替24年24年・48年・72年…
②附属施設自転車置場、ゴミ集積所取替24年24年・48年・72年…
植樹整備24年24年・48年・72年…
18 調査・診断、設計、工事監理等費用
①調査・診断、設計、コ
ンサルタント
大規模修繕工事の実施前に行う調査・診断
計画修繕工事の設計(基本設計・実施設計)・コンサルタン
1回目10年
以後12年
10年・46年…第1回目・第4回目…の大規模修繕工事に係る業務
22年・58年…第2回目・第5回目…の大規模修繕工事に係る業務
34年・70年…第3回目・第6回目…の大規模修繕工事に係る業務
②工事監理計画修繕工事の工事監理12年12年・48年…第1回目・第4回目…の大規模修繕工事に係る業務
24年・60年…第2回目・第5回目…の大規模修繕工事に係る業務
36年・72年…第3回目・第6回目…の大規模修繕工事に係る業務
19 長期修繕計画作成費用
①見直し長期修繕計画の見直しのための調査・診断
長期修繕計画の見直し
5年5年(・10年)・15年(・20年)…

出典:公益財団法人マンション管理センター

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以上が一般的な修繕工事のタイミングや箇所になります。3回目で行う修繕工事の内容を把握しておきましょう。

3回目・築30年以降に修繕する箇所

3回目の修繕工事で修繕する部分をご紹介します。具体的に修繕する箇所を説明しますので、参考にしてください。

  • バルコニー手すり
  • 屋上のフェンス
  • 給排水設備、配管の交換
  • 玄関ドアの交換
  • 窓・サッシの交換
  • 機械式駐車場

順番に詳細をお伝えしていきます。

バルコニー・ベランダの手すり

マンションの修繕工事3回目バルコニー

出典:3回目のマンション大規模改修

バルコニーベランダの手すりは金属製です。そのため、手すりそのものが錆びてしまうケースがあります。3回目の修繕工事の際は、撤去して新しいものに交換しましょう。

ただ、手すりではなく、支えているコンクリートに亀裂がある場合は大変危険です。手すりに寄りかかった瞬間、コンクリートが割れて手すりが転倒してしまう恐れがあるからです。

実際に、賃貸マンションでは手すりが壊れてしまい入居者がケガをしてしまったケースがあります。大事には至らなかったものの、大けがになってしまったので、大家には6,000万円の損害賠償請求が発生しました。

ベランダ側からではわかりませんが、外から見ると手すりの下のコンクリートにクラック(ひび割れ)が見える場合は注意してください。

あまりにも劣化具合がひどく、手すりがぐらついてしまうケースは、修繕工事の時期が来る前にその部分だけでも修繕工事をしましょう。

屋上のフェンス

マンション大規模修繕3回目屋上フェンス

屋上のフェンスも、3回目の修繕工事のタイミングで交換するようにしましょう。先ほどお伝えしたバルコニーやベランダの手すりのように、錆びてしまい劣化してしまうからです。

転倒してしまうと大変危険なので、アルミ製ものに取り換えるようにしましょう。

給排水設備、配管の交換

マンションの修繕工事配管

出典:大京穴吹建設

マンションの配管は築30年を超えると、新しいものに交換しなければいけません。そのため、3回目の修繕工事や築30年を超えたタイミングで新しいものに取り換えるようにしてください。

配管工事に関しては、「【マンションの大規模修繕】配管工事の修繕の時期や注意点」の記事で修繕工事のタイミングや方法を具体的にお伝えしています。配管工事について気になる方は、こちらの記事にも目を通しておきましょう。

玄関ドアの交換

マンションの修繕工事築30年ドア

築30年を超えると玄関のドアは交換のタイミングです。30年も毎日使っていると不具合が出てくるものです。

たとえば、以下のような不具合や悩みがあるのではないでしょうか。

  • ドアを開けるのが重い
  • 鍵穴が古く防犯性が不安
  • 隙間風がひどい
  • 錆びてきている
  • 地震があった際に脱出できるか不安

このような不具合があったらすぐに交換しましょう。玄関は毎日使うので不具合があるとストレスや不満が溜まります。

また、防犯面や地震の際に、ドア枠が歪んでしまい開かなくなってしまう恐れがあります。地震はいつ起こるのかわからないので心配ですよね。3回目の修繕工事では、ドアを交換するため覚えておきましょう。

窓・サッシの交換

大規模修繕3回目窓サッシ

窓やサッシは築30年を超えたら交換です。玄関同様に30年も使用しているとガタツキや雨漏りなど、不具合が出てきます。また、防犯面も不安ですよね。

修繕工事で窓を交換すると見栄えはもちろんのこと、断熱性なども上がっているのでとても快適になります。窓を交換してサッシを変えて快適な生活を実現させましょう。

修繕工事の回数が3回目になると修繕費用が高くなる

3回目の修繕工事になると修繕費用は、1回目や2回目に比べると高くなります。ここでは、その理由を詳しく解説していきます。

修繕する箇所が増える

築30年を超えると修繕する個所が増えます。以上でもご紹介しましたが、手すりや玄関ドアなどは、3回目になると修繕する個所があるからです。

毎回修繕しなければいけない部分に加え、修繕する個所が増えるのでその分修繕費用は高くなります。

修繕する規模が大きくなる

建物が古くなると修繕する規模が大きくなります。古くなると劣化して、補修箇所が増えるからです。

たとえば、外壁のひび割れの補修では、2回目まででは簡単な補修でも3回目からは大規模な補修になる恐れがあります。

費用も高くなる修繕方法になるので、そのような修繕工事が増えると全体の大規模修繕工事の金額も高くなります。

修繕が先送りになる

修繕工事は、計画的に行わないと先送りになります。費用が足りないなどの理由から2回目で修繕仕切れなかった部分がある場合、そのつけは3回目の修繕工事に回ってきます。

そうなった場合、3回目できちんと修繕工事をしなければいけません。修繕工事が先送りになった分だけ、3回目は費用が割高になります。

築年数や回数が増えるごとの修繕工事の内容

築年数が経過し、修繕工事の回数が1回、2回と増えていくと修繕工事の内容も変わっていきます。先ほどもお伝えしたように、修繕工事も3回目になると改修する個所が増えていきます。

そこで、実際の3回目まで修繕工事を行ったマンションの事例をご紹介します。内容を確認しておきましょう。

項目 新築時 第1回大規模修繕 第2回大規模修繕 第3回大規模修繕 長期計画
5年後見直し
昭和47年 築後11年経過 築後18年経過 築後30年経過 築後
31年~47年
屋上防水 PC版打
継ぎ目地線
防水
断熱材厚15敷込み
シート防水
4年周期のシルバーペイントで
メンテナンスする
防水層取替え
計画
外壁塗装 リシン吹付け 吹付けタイル
(複層模様)
アクリル系
トップコート
ウレタン系
トップコート
シリコーン系
トップコート
未定
外壁目地防水 油性
コーキング
油性コーキングを
一部残し、
ウレタンコーキング
第1回と同じ仕様 油性・ウレタンコーキングを全面変成
シリコーン材で
打替え
ベランダ・
バルコニー防水
モルタル防水 ベランダ床;ウレタン厚2Sバルコニー;エポキシ
厚0.55
既存上に
第2回と同じ仕様
鉄部塗装 合成樹脂調合塗料 塩化ゴム系塗料 旧塗膜と錆を
剥離材で除去し
ウレタン樹脂塗料
補修工事 コンクリート・
鉄部補修
コンクリート・
鉄部補修
コンクリート部分の徹底的補修
改善工事 階段床・
踊場床モルタル防水を長尺塩ビシートとゴムタイル貼り(階段)
階段取外し可能手摺
新設
サービス・
バルコニーの仕切板・鉄格子の腐食
部分取替え
外壁色 オフホワイト色 赤みのある
サンドベージュ
第1回と同色 茶系
発注方式 特命随意契約
塗装・防水など
分離発注
第1回に同じ 指名競争入札
請負方式
監理 管理会社へ委託 第1回に同じ 第1回に同じ
設備 計画修繕工事
給水設備 VP管(住戸)鋼管と
塩ビライニング鋼管
配管修理、受水槽、
高架受水槽のメンテナンス
平成14年度
埋設給水管調査後修繕計画実施
排水設備 VP管 配管修繕工事 住戸内排水管取替え
および公共下水排水へ
移行を計画
汚水処理設備 500人槽
1300人槽
配管修繕工事、汚水調整槽新設メンテナンス 廃棄
EV設備 無し

神奈川県建築士事務所協会より引用

実際に修繕工事を行ったマンションの事例です。修繕工事の回数で工事の内容がかわるので、これから修繕工事を検討している方は参考にしてみてください。

築30年以降、3回目の修繕工事の費用や相場

3回目の修繕工事はどのくらいの費用になるのでしょうか。1回目や2回目よりも修繕費用が増えることを予想すると、3回目の修繕工事の費用はいくらぐらいになるのでしょうか。

1回目の修繕工事の費用・相場

1回目の修繕工事では、戸あたり100万円を想定しています。

世帯数費用
303,000万円
505,000万円
1001億円

修繕工事は、1世帯あたり100万円が目安になるため、マンションの規模に応じてこのような修繕費用の価格になります。

2回目の修繕工事の費用・相場

2回目の修繕工事は、戸あたり120万円の費用が相場になります。

世帯数費用
303,600万円
506,000万円
1001億2,000万円

3回目の修繕工事の費用・相場

3回目の修繕工事は、戸あたり130万円になることを想定しています。

世帯数費用
303,900万円
506,500万円
1001億3,000万円

修繕工事の費用は、築年数が経過すると高くなることが予想されます。当然、その分修繕費の積立金も必要になるので覚えておきましょう。

マンションの修繕工事の費用については、「小規模マンションの大規模修繕費用はいくら?相場や平均価格」の記事で詳しく解説しています。

また、費用を抑える方法についてもご紹介していますので、「安く修繕工事をしたい」管理組合の方は、以下の記事にも目を通しておきましょう。

築30年は建て替えるのではく長く住めるように努力する

3回目の修繕工事の時期になると修繕工事ではなく、「建て替え」を検討する管理組合もいらっしゃいます。

将来への備えや古い耐震基準のマンションの場合、地震に対する安全性に不安があるからです。また、修繕費用が高額になりすぎるために、建て替えを検討する管理組合もいらっしゃいます。

しかし、ほとんどが建て替えを行うのではなく修繕工事を選択します。建て替えは費用がかかるので、ローンを30~35年で完済してすぐに建て替えでは、居住者も困りますよね。

正直なところ、築30年で建て替えをする管理組合はほとんどいません。それには、以下の理由があるからです。

  • 高齢者等の対応が難しい
  • 建替えの費用がない
  • 法的な制限により、建物規模が小さくなる
  • 区分所有者が必要性を理解していない
  • 仮住居の確保が困難
  • 法定決議に必要な合意形成が難しい
  • 建替えか改修か技術的な判断ができない
  • 賃貸化の進行により検討が進まない
  • 検討に関する公平性に理解が得られない
  • 検討等を依頼できる専門家がいない
  • 住環境の変化への不安

「建て替え」という言葉は出るものの、築30年のタイミングで建て替えするケースはほとんどあり得ません。マンションは、60年持つとされています。現段階では、修繕工事を行い長く快適に住み続けられるようにしましょう。

まとめ

マンションの大規模修繕工事は、築30年を超え、3回目になると工事の内容や規模が本格的になります。1回目、2回目に比べると費用は高額になることが予想されますので、無駄な費用がかからない修繕工事を検討するようにしてください。

特に、小規模マンションの場合、管理会社に修繕工事を依頼すると仲介手数料が発生するので、費用は割高になります。無駄な費用を無くすためには、直接施工業者に依頼しましょう。

当サイトでは、無料で専門業者をご紹介しています。管理会社に仲介手数料を支払わずに修繕工事を行うことが可能ですので、3回目の修繕工事は、ぜひ当サイトをご利用ください。

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