住宅の外壁に使われる素材の中に、モルタル塗りの外壁が存在します。このモルタルによる外壁は、セメントに水を混ぜたものを使用して外壁を仕上げます。そのため、昔から日本住宅の外壁材として多く使われていました。
しかし時代が日本住宅から洋風住宅に移り変わる現在では、このモルタル塗りの外壁を使用している住宅は数が減ってきました。しかし、まだまだこのモルタル塗りの住宅は存在します。
このモルタルの施工方法は、セメントに水を混ぜたペースト状のものを使用するため、凸凹の部分でも平らに仕上げることができます。なので、利便性がよく多くの住宅の外壁に施工できる素材になります。
モルタルはクラックが起こりやすい
しかしこのモルタルですが、クラック(ひび割れ)が発生しやすいというデメリットが存在します。一度モルタルにクラックが発生してしまいますと、その隙間から雨水が侵入してしまいます。そうなれば、雨水は住宅の内部に侵入してしまいます。
とは言っても、1㎜程度のクラックならば雨水が侵入する可能性は低いので、そこまで心配する必要はありません。ただし、そこで放置してしまいますと、そのクラックが大きくなる可能性が高くなります。
なので、1㎜程度のクラックが発生しているのであれば、近いうちにそのクラックを補修しなければいけません。
そして、クラックがあると住宅の美観としてはそこまで美しくありません。住宅の外壁や美観は、家の顔になります。
あなたの家の印象を決めてしまう大事な要因になります。
例えば、きれいなクラックの発生していない外壁とクラックだらけの外壁では、間違いなく前者のクラックが発生していない外壁のほうが印象がいいです。
このことからわかるように、外壁のモルタルにクラックがあると雨漏りの原因になると同時に、外壁の美観の部分も美しくありません。
しかし、クラックが発生しやすい特徴があるモルタルですが、決して住宅の外壁に使われる材料としては悪くない材料になります。モルタルは特に問題がなければ、約30年は耐久性があります。
ですから、クラックが発生したら塗り替えるなどの定期的なメンテナンスを行っていれば、モルタルは長寿命の建材になります。
モルタルのクラックを防ぐ方法
そして、モルタルにクラックが発生する要因としては、ペースト状から乾燥して固まる段階で必ず縮んでいく性質があるからになります。ですから、モルタルにクラックが発生してしまうことは、仕方がないことになります。
ただ、現在ではそのモルタルにクラックが発生しにくくなるクラックレス工法という施工方法が開発されています。
この方法は、モルタルを施工する段階、つまりペースト状を塗る際にモルタルの中にステンレスやファイバーグラスなどの細いメッシュを塗り込むことで、モルタルが割れにくいように補強する方法になります。
とは言っても、このクラックレス工法でモルタルを施工したとしても、必ずモルタルにクラックが発生しないわけではありません。なので、その部分には注意が必要になります。
そして日本は地震が多い国です。地震が起きれば当然、クラックは発生しやすくなります。また、家のゆがみなどもクラックが発生する要因になります。
これを防ぐ方法はありませんので、クラックを発生しにくくするのが施工段階の方法では最善の策になります。
ですから、モルタルにクラックが発生したら、早めに外壁を塗り替えるなどの方法を取るようにしましょう。先ほど述べたように、1㎜程度のクラックではそこまで雨漏りの心配はありません。
しかし、すでにクラックが発生していると言うことは、今後その部分クラックが大きくなる可能性は高いです。そのことを踏まえたうえで、住宅のメンテナンス時期をよく考えて、適切な塗り替え工事やクラック補修工事を行いましょう。