住宅を購入したら、必ず行わなければいけないのがメンテナンスになります。住宅というのは、建てたらそれだけというわけではありません。
塗装が剥げれば、塗り替えを行わなければいけません。雨樋(あまどい)が壊れれば、雨樋を交換しなければいけないのです。
また、庭が住みにくいと感じたら、外構工事によってその問題を解決しなければいけません。このように、家というのは住んでいくうえでさまざまな問題があり、メンテナンスが必要になります。
メンテナンスが楽な材料を使う
しかしそこで、「メンテナンスを必要としない素材で外壁を作ればどうか?」と思う方もいるかもしれません。実はその通りになります。
ただし、メンテナンスを完全に行わなくてもいいというわけではありませんが、比較的メンテナンスを必要としない外装が存在します。
それは、樹脂サイディングボードになります。樹脂サイディングボードと言われても多くの方が知らないと思います。
そこでこのページでは、樹脂サイディングボードの特徴を紹介するとともに、樹脂サイディングボードがいかにメンテナンスを必要としない素材なのかを紹介します。
住宅の外装に使われるサイディングボードにはいくつか種類があります。その中に、樹脂サイディングボードというものがあります。この樹脂サイディングボードというのは、簡単に言ってしまえばプラスチックを加工して板状にしたものを張り合わせて外壁にします。
また、樹脂自体に着色しているので、通常の外壁とは異なり色あせたり、傷がついたりして色が落ちることがありません。
そして、住宅はさまざまな部位で構成されているので、部位と部位の間に隙間が存在します。
その隙間を埋めるために、コーキング材(シーリング材;ゴムみたいなもの)によってその隙間を埋めます。
しかし、樹脂サイディングボードではそのような隙間を作らず施工が可能になりますので、コーキング材を使用することなく外壁を作れます。
そのため、一般的な外壁にように塗り替えを行う頻度を少なく出来ます。また、コーキングを使用せずに住宅を建てることができますので、コーキングの打ち直しを行うことがありません。
メンテナンス費用を抑えられる
一般的に外壁の塗装は、10年に1度と言われています。またコーキングも劣化するため、コーキングの打ち直しも同様に、10年に1度同じ時期に行わなければいけません。
しかし、樹脂サイディングボードは先ほど述べたように、メンテナンスをそこまで必要としない外装になります。メンテナンスをあまり必要としないということは、メンテナンス費用を抑えられるということと同じ意味になります。
例えば、住宅の塗り替えやコーキングの打ち直しを10年に1度の頻度で行う場合、約100万円ほどの費用がかかります。住宅の寿命が長くても60年だと考えた場合、最低4回は100万円のメンテナンス費用がかかります。
なので、総額で約400万円の維持費がかかることになります。しかし、樹脂サイディングボードのようにメンテナンスをあまり必要としない場合はどうでしょうか。メンテナンスを20年に1度行ったとしても、200万円で済みます。
また、傷みが少なければメンテナンスを行わなくて済むかもしれません。このことからわかるように、通常の外壁よりも樹脂サイディングボードは、メンテナンス費用を抑えられる外装だとわかります。
しかし、このようなメンテナンス費用が抑えられる樹脂サイディングボードですが、デメリットも存在します。
それはまだ日本で普及していないため、施工業者が限られる点になります。アメリカでは外装のシェア率50%を超えますが、日本では約1%程のシェア率になります。
また、同じサイディングボードの窯業系(ようぎょうけい)サイディングボードと比べるとその重さは約1/10になります。そのため、地震による影響を受けにくい外装になります。
ただ、音を通しやすい特徴があります。風の強い地域や雨が多い地域では、その音が気になってしまう可能性があります。
とは言っても、メンテナンスをあまり必要としない点やコストパフォーマンスの部分を考慮した場合、そのようなデメリット以上のメリットがある外装になります。