住宅の塗り替えにおいて一番重要な作業と言っても過言ではないのが、「高圧洗浄」です。外壁の塗装をするうえで、まずは外壁に付着している藻や劣化した塗料などの汚れを落とさなければいけません。
そうしなければいくらそのうえから塗装をしたところで意味がありませんし、汚れた外壁のうえから塗装をしてもすぐにはがれてしまいます。また、本来の塗料の耐久性が保てないなどの原因になります。
ですから、高圧洗浄は住宅の塗り替えにとって最も重要な作業になるのです。高圧洗浄は「高圧洗浄機」と呼ばれる機械で行われるのですが、よく通販番組やホームセンターで売られているような洗浄機を想像すると思うかもしれません。
実際の外壁塗装において使われる洗浄機は、そのような洗浄機が威力が強力になったようなものだと思ってくれればわかりやすいかと思われます。一見、ただ単に水をかければいいと思いがちですが、実際はそうではありません。
ホームセンターなどで売られている高圧洗浄機では威力が弱く、外壁や屋根の汚れをきれいに落とすことができないのです。ですから、高圧洗浄には威力が求められます。プロが使う高圧洗浄機の威力は、約150㎏/㎝です。
コイン洗浄器などで行われている高圧洗浄が約80㎏/㎝になりますので、約2倍の威力になります。この威力がなければ、10年間も積み重ねられた外壁の汚れは落ちないのです。
今ではこの高圧洗浄が当たり前になっていますが、一昔前(約30年前)ではこの高圧洗浄は行われていませんでした。なぜなら、高圧洗浄機がなかったからです。
その当時は高圧洗浄機がないかわりに、ブラシなどを使って外壁の汚れを落としていました。
また、どうしても汚れが落ちない場合は、浸透性のある下塗り剤を使えば何とかなりましたので、今でもその当時の方法を使っている職人さんもいらっしゃいます。
しかし、やり方は人それぞれですが、私は汚れを効率的に落とすためには高圧洗浄機が欠かせないと思います。
高圧洗浄の工程
実際に外壁塗装を行う前には、高圧洗浄を行います。しかし、実際に作業しているところを見ることは少ないと思いますので、どのような工程なのかを説明します。
高圧洗浄は上から汚れを落としていきます。屋根から始まり外壁の2階を洗浄して1階部分を洗浄します。高圧洗浄を行った場合と行っていない場合は一目瞭然です。
写真の通り明らかに汚れや塗料が落ちていることがわかります。作業時には雨ガッパを着て高圧洗浄を行います。
ですから、夏場は当然蒸れますし、冬場は水が冷たく凍えるほどです。
しかし、それほどまでのことをしてまでもお客様の家をきれいにしたいと言う思いで作業していますので、高圧洗浄機のエンジン音がうるさくても少しの間ですから我慢していただきたいです。
高圧洗浄はどのくらいの日数がかかるのかと言いますと、だいたいのお家が1日あれば洗浄は終わってしまいます。
外壁だけならば半日で終わりますが、屋根と外壁の両方を洗浄するとなりますとどうしても1日はかかってしまいます。
また、高圧洗浄を行うのは何も外壁や屋根だけではありません。駐車場なども汚れているのならば、ついでに洗浄します。
駐車場などの外壁以外の部分で汚れている部分があるのならば、実際に作業する職人さんや営業マンに相談してみてください。
あまりにも面積が大きいのであればあれですが、ついでに行える範囲であるのならばどの業者もサービスで高圧洗浄を行ってくれるはずです。
頑固な汚れを落とすトルネード洗浄
高圧洗浄には、通常の高圧洗浄では落とせない汚れを落とすために、「トルネード洗浄」と言うものがあります。トルネード洗浄とは渦巻きを描いて水を噴出します。そうすることによって高圧洗浄の威力を増します。
外壁の洗浄では必要に応じて、苔や藻やカビなど汚れがひどい部分にはこのように「トルネード洗浄」を使います。
そのようにして汚れを落とします。いくら高圧洗浄機の威力が強いと言っても、10年間の歳月の経った汚れと言うのはなかなか落ちません。
家の住宅の屋根のカラーベストなどでは、真っ黒だった汚れや古い塗料をきれいにするためにも、このトルネード洗浄を使いその汚れをきれいに落とします。
汚れがなくなれば塗料とカラーベストの密着性は良くなります。当然塗料ははがれにくくなりますし、長い期間塗りたてのような屋根を維持することができます。
逆に、きれいに汚れなどを落とすことができなければ本来の塗料の耐久性や美観などを再現することはできないのです。