外壁に使用する材料の中にレンガがあります。レンガとは、約1200℃の温度で表面がセラミック化するほど焼かれている無機質な素材になり、非常に長持ちします。
この無機質の物質とは、炭素化合物(有機)を以外の化合物になります。そのため、この有機物を含まないレンガは、住宅の材料としては耐久性がある建材になります。
住宅の劣化の原因となるのは、塗料に含まれる有機物が原因で起こります。しかし、レンガは塗料による塗装ではなく、レンガそのもの自体の色合で仕上がりを表現しています。
そのため、有機物による劣化がありません。また無機質の物質とは、私たちの身の回りで例えば石やガラスなどになります。
石やガラスを想像していただければわかりやすいですが、日に当てても劣化することはありません。
レンガ住宅の特徴と利点
そして、レンガによる建物は、独特な高級感や人工的に作られている外壁材では味わえない雰囲気になります。例えば、東京駅や横浜にある赤レンガ倉庫などがそれにあたります。
あの独特の高級感を自分のものにできるのですから、レンガ住宅は美観の面を考えてもとても魅力的な住宅になります。
そして、レンガ住宅の特徴としてはその住みやすさになります。レンガは蓄熱性が高いのが特徴になります。そのため、夏は涼しく冬は暖かいです。
例えば、真夏日にトンネルの中に入ると涼しく感じると思います。その理由としては、外部からの太陽の熱を内部に伝えないので、トンネル内部に熱が伝わりにくいからになります。
そのためレンガの家であれば、外がいくら太陽の日差しによって熱くなっていたとしても、室内までその熱を伝えないので涼しい室内環境になります。
また、冬場もこのことが当てはまります。外部からの気温の影響を受けずに、室内の熱を外部に逃がさないため、冬場でも暖かい室内になります。
耐久性の高いレンガの住宅
そして、レンガは耐久性がとても高い建材になります。レンガで出来ている建物は、古くから建設されている万里の長城などを想像していただければ、その耐久性の高さがわかります。
このことからわかるように、無機質で出来ているレンガは非常に耐久性のある現在になります。そして、この無機質はコケやカビが発生しにくい特徴も持っています。
ただ、日当たりの悪い部分でコケやカビが発生しているレンガがあります。しかし、そのレンガは600℃~800℃の低温で焼かれたレンガになります。
そのため、高温で焼かれたレンガよりも雨水などを吸収しやすい特徴があり、日当たりの悪い部分ではカビやコケが生えてしまいます。ただし、耐火レンガと言われる、カビやコケが発生しないレンガが存在します。
その理由としては、先ほど述べた約1200℃で焼かれたレンガよりも更に高い温度で焼かれたレンガになるからです。
ただ、耐火レンガは高温で焼かれているため、固すぎる特徴があります。そのため、、地震などで揺れた場合に割れるリスクがあります。
ここまでレンガの耐久性の高さを紹介しましたが、レンガが痛んでいる建物が存在するのも事実です。
しかし、それはあくまでもレンガそのものが痛んでいるのではありません。例えば、歴史的建造物等は昔に建てられたものが多いです。
そのため、レンガを施工する段階で強度を増すための鉄筋が入っていません。なので、目地が割れてしまったり、ヒビが入ってしまったりしてしまいます。
ただ、現在のレンガ建築の構造は、内部に強度を増すためのステンレス鉄筋を入れています。
なので、非常に頑丈な建物になっています。
地震に強いレンガの家
そして、レンガの家を想像すると、「地震で崩れるのでは?」と想像する方もいると思います。確かに、日本は世界的に見ても地震の多い国です。
家を建てれば数十年その家で住めなければいけません。今後いつ大地震が起きるかわからない以上、耐震性は日本の住宅には必要な要素になります。
しかし、結論から言えばレンガの家は地震に強いです。その理由としては、レンガの外壁の施工方法になります。
レンガの家を施工する際、レンガをモルタルなどで張り付ける方法とレンガを積み上げる方法があります。
この際、レンガを張り付ける施工方法では、レンガの重みが住宅の負担になってしまいます。しかし、レンガを積み上げる方法ではそのような心配がいりません。また、レンガを積み上げる際、ステンレスの鉄筋や金物を使用しているため、レンガが崩れない仕組みになっています。
そして、レンガを住宅からほんの少しだけ間隔を空けて施工するため、建物自体が揺れたとしてもレンガに直接建物の揺れが伝わらない仕組みになっています。
このことからわかるように、レンガの住宅は耐震性に優れています。ですから、レンガで家を建てるのであればレンガを張り付ける方法ではなく、レンガを積み上げる方法で施工すれば、耐震性に優れた住宅になります。
メンテナンス費用がかからない
そして、一般的な日本住宅の寿命は、約60年になります。このことから比較しても、万里の長城などは約1000以上存在していますので、レンガ住宅の耐久性は、100年以上になります。
このことからわかるように、日本住宅の寿命と比較すると、圧倒的にレンガの住宅は高い耐久性と長寿命であることがわかります。そして、一般的な住宅では、塗り替え(外壁や屋根の塗装)によるメンテナンスを行わなければいけません。
一般的に住宅の塗り替えは10年に1度と言われています。仮に、家の寿命が約60年とすると、約4回は塗り替え工事を行わなければいけない計算になります。
そのため、一度の塗り替え費用が約100万円と考えた場合、4回×100万円でおよそ400万円のメンテナンス費用になります。
一方、レンガで住宅を建設した場合、特に塗り替えなどのメンテナンスを行う必要がありません。
このことからわかるように、レンガ住宅ならば生涯で400万円メンテナンス費用がお得になります。ただし、万が一割れたりした場合は、補修が必要になります。