住宅の外壁に使われる素材の中にサイディングボードと呼ばれる素材があります。この素材は、人工的に加工した板を使用するため、さまざまな表現の仕上げが可能になります。
現在では洋風住宅が人気になり、このサイディングボードを使用する住宅が増えてきました。そのサイディングボードの中でも、特にメンテナンスが楽な外装が存在します。
それは樹脂サイディングボードになります。樹脂サイディングボードとは、簡単に言ってしまえばプラスチックを板状に加工したものになります。
そのため、一般的な外装のように色あせたり、傷がついたりすることによって色落ちすることがありません。
そのため、住宅の塗り替えの頻度を抑えられます。一般的な住宅のサイディングボードは、塗り替えをおおよそ10年に1度行わなければいけません。
しかし、樹脂サイディングボードにすれば傷み具合にもよりますが、20年に1度の頻度で済んでしまいます。
コーキング材を使わない外装
一般的なサイディングボードは板と板の間の隙間を埋めるために、コーキング材(シーリング材:ゴムみたいなもの)を使用します。ですが、この樹脂サイディングボードではそのようなコーキング材を使用しません。
そのため、塗り替え同様にシーリング材のメンテナンスが不要になります。このことからわかるように、樹脂サイディングボードはメンテナンスが楽な住宅だとわかります。
ただ、メンテナンスを何もしなくてもいいわけではありません。その部分は勘違いしないように注意しましょう。
しかし、このようなメンテナンスが楽な外装の樹脂サイディングボードですが、そのシェア率はおよそ1%ほどになります。
一方アメリカでは、そのシェア率は50%を超えていますので、日本がいかに普及していないことがわかります。その理由としては、樹脂サイディングボードのデザイン性の問題が考えられます。
アメリカでは数多くの種類が販売されていますが、日本では数パターンしか選ぶことができません。
また、同じサイディングボードの窯業系(ようぎょうけい)サイディングボードに比べても、仕上がりやデザインの種類に限りがあります。
このような理由から、日本で樹脂サイディングボードが普及していないことが考えられます。そして、普及しない理由としては、このメンテナンスを必要としないところにあります。
業者の裏事情について
お客様の目線からすれば、「メンテナンスがなくて何がいけないの?」と思うかもしれません。しかし、お客様はメンテナンスがなくてもいいかもしれませんが、施工する側の業者としては都合が悪いのです。
なぜなら、仕事が無くなるからです。例えば、コーキングを施工する業者の場合、コーキングの劣化とともにコーキングの仕事ができます。
コーキング業者はその仕事で生活を行っていますので、仮にコーキングを使用しない樹脂サイディングボードで住宅がすべて建てられた場合、仕事が無くなってしまいます。
このことは、外壁の塗り替えに関しても同じことが言えます。樹脂サイディングボードは、色あせることがほとんどありません。なので、住宅の塗り替えをほとんど必要としない外装になります。
住宅のメンテナンスのほとんどが外壁の塗り替えとコーキングの打ち直しです。このメンテナンスによって利益を出している業者は、数え切れないほどいます。
なので、メンテナンスを必要としない住宅というのは、業者にとって仕事が無くなる住宅になります。
このような業者に都合の悪いという理由からも、樹脂サイディングボードが日本で普及していない理由の一つになります。
施工店としては、自らの仕事を無くなるような外装をすすめたりしないのが、日本の建設業界の現状なのです。
このことからわかるように、自分たちの利益のことしか考えていない業者がほとんどです。その部分を踏まえたうえで、慎重に塗り替え業者や外構工事業者などを選ぶようにしましょう。